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始めに


歴史部展示へようこそ。今年度は、今まで主体になっていた52期の先輩方が一気に抜け、代わりにここ2年全く消息を絶っていた新中1の大量入部という出来事が起きるなど、変遷の目まぐるしい年でした。果たして今年の歴史部メンバーが去年のメンバーより更にレベルアップしているかと聞かれると、返答に窮してしまうのですが、彼等若き新人たちは年を重ねる毎にレベルアップしていくことは間違いないので、来年も再来年も乞う御期待です。

さて、もし仮に今富士山が噴火したらどうなるでしょう? 富士山山麓周辺が火砕流や溶岩流などで壊滅的な打撃を被るのは間違いないでしょう。では被害はこれで終わりでしょうか? 小規模な噴火なら確かにそうでしょう。しかしそれが大規模なものになると事態は完全に変わってきます。真の破局は噴火の後に訪れるのです。それも全地球規模に。上空に巻き上げられた火山灰は日光を遮断し、地球を寒冷化させます。一般的に、寒冷化の後局地的な豪雨が訪れ、次に大旱魃が続き、雹や霰も降ります。穀物の生長は阻害され、飢饉が起こり、人々は慢性的な栄養不足で病気に対する抵抗力が衰え、疫病が流行します。飢饉と疫病で人々が死ぬと、追いつめられた人々は少しでも状況を改善しようと、有効な対策を何も打ち出せないでいる政府に対して戦いを起こしたり、他者の土地や食糧を奪おうとしたりします。

図1:小田原藩年貢米変遷。近藤純正作成実際このようなことは江戸時代にも起こりました。図1は小田原藩の年貢米の変遷を示すグラフですが、1707年の富士山宝永大噴火の後、日本では関東一円に火山灰が降り、享保の大飢饉の遠因になったといい、ヨーロッパでも1708〜1709年にかけてこれまでにない厳冬が訪れて西欧全域で海や河が凍り付き、それまで敬遠されたジャガイモがアイルランドなどで主食となりました。ポテトチップスやファストフード店のポテトが広く売られ、ある程度の人気も博している一因といえます。

図2:百姓一揆発生件数の変遷。『ビジュアル歴史』より。 図3:天明の大飢饉。『ビジュアル歴史』より。
しかしこの半世紀後、漸くこの大噴火から立ち直りつつある時、後でまた詳しく述べますが、前の富士山噴火とは比べものにならない大噴火がアイスランドと日本で同じ年に起こりました。ラキ火山と浅間山の大噴火です。世界的な寒冷化現象が起こりました。その後起こった天明の大飢饉を始めとする世界的な飢饉が、ひいてはフランス革命や明治維新をもたらしたといいます。

実は遙か昔、メソポタミアや長江などでも、文明発生の頃から度々このような事が起こっています。噴火以外でも、他の何らかの原因によって寒冷化が起こると同じ事が起きました。気候変動は人類の歴史に絶え間なく影響を及ぼし続けました。逆に気温が温暖化すればどうでしょう? 今そのことが盛んに取沙汰されていますが、その真相はどうなのでしょうか? 単に暖かくなって冬が過ごしやすくなるだけでしょうか? 

さぁ、過去に起こった(火山によるものも含めて)気候変動の事例について見ていきましょう。この展示が「核の冬」や「地球温暖化」について皆様の参考になる事を願いつつ・・・。

(展示責任者記す)